賃貸住宅Q&A

Q.賃貸住宅の騒音問題。隣人の生活音に悩まされる…対処方法は?

2021年8月15日

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川浦剛志

1980年代生まれ|東京都心の元不動産屋  不動産業界に約7年ほど在籍していました。賃貸仲介がメイン。賃貸住宅探しのコツを元プロ目線で紹介していきます。部屋探しは物件選びと不動産会社選びがポイント。

相談者
相談者

コロナ禍ということもあり、在宅での時間が増えました

自宅で過ごす時間が長くなるといろんな事が気になりだしますよね

川浦
川浦

以前はあまり気にならなかった隣人のTVの音、移動する音など、日常の騒音・生活音が気になるようになりました。

相談者の方は、リモートでの仕事にも影響が出ているとのこと。そのため、このことをアパートの管理会社にも連絡をし、もう少し静かにさせて欲しい、ということを伝えましたが、対応してくれたのかどうか、未だに音が聞こえてくる始末、、、

何か良い対処方法はないのでしょうか?



建物構造と音の響きやすさ

まず、なぜ音が気になるのか?という部分について、建物構造による音の響きやすさを知っておくと良いでしょう。

自分に合う賃貸物件を選ぶためにも、どこまで自分が許容できるのかを知っておくことは快適な生活を送る上でとても重要です。

木造

日本に馴染み深い木造物件アパート。日本の気候にも合っており、今回ご紹介する中で木造は通気性が一番高いです。

また、湿度が高いときは湿気を吸って調整してくれ、逆に空気が乾燥しているときは含んだ水分が吐き出される性質を持っています。

しかしながら今回のお悩みポイントである「音」に関しては、メリットがあるとは言えません。

「木」という性質上、質量が小さく、その分音を遮ることができません。音が響きやすいのです。

また木造の賃貸物件では壁も薄く、隣人のテレビの音、音楽、話し声などが聞こえてくることも珍しくありません。

自分より上階の住人の足音やドアの開け締め音なども響きます。

逆もまた真なり、自分の生活音も近隣の住民に聞こえているということですね。

軽量鉄骨造

鉄骨造には、鉄骨の厚さによって「軽量鉄骨造」と「重量鉄骨造」にわかれるのですが、まずは軽量鉄骨造から。

前述した内容に関連しますが、鉄骨は木よりも質量が大きく密度が高いため、音も響きにくいと考えられます。

ただ、住居内のすべての面が軽量鉄骨で埋め尽くされているわけではありませんので、壁などを叩いてみて「コンコン」と高い音がする箇所は壁面内部が空洞になっている可能性があります。

アパートなどでも採用されていることが多いです。

重量鉄骨造

続いて、重量鉄骨造について。鋼材の厚さが6mm以上のものが「重量鉄骨造」と呼ばれます。

遮音性については軽量鉄骨造よりも高くなります。その理由は鉄骨の厚さにあるのですが、鉄骨が太くなるため鉄骨を覆う壁も連動して厚くなるからです。

一本の柱が太く大きな重量に耐えうるほど丈夫なことから、大型のホールなど柱の本数を減らして広い空間を確保した建築が可能になります。

鉄筋コンクリート造

鉄筋とコンクリートの掛け合わせです。鉄筋で組んだ箇所にコンクリートを流し込んで造ります。

これまでの木造や鉄骨造に比べて、密度が上がり遮音性に大変優れています。

室内・室外の両方から音や空気をさえぎることができ、近隣住民の生活音から守られます。

地震のエネルギーなどにも強い構造であること、火災の際にも燃えないことから、多くのマンションで採用されている造りです。

音の響きやすさは下記の通りです

木造 > 軽量鉄骨造 > 重量鉄骨造 > 鉄筋コンクリート造



引っ越し × マンションで対処

現在は賃貸の木造アパートにお住まいとのことなので、やはり建物自体の遮音性が低いことが根本的な問題です。建物の構造を自分自身で変更することは非現実的なので、騒音や生活音が気になって仕方がない、という場合は精神衛生上にもマンションタイプへ引っ越しを検討されることをおすすめします。

私もアパート・マンションを両方住んだ経験から、今ではマンション以外は選ばないようにしています

川浦
川浦

部屋探しをする際に、譲れない物件の条件として不動産屋さんに伝える項目は主に下記です。

  • 建物種別(物件種別)」で「マンション」を選択。

今回の相談で一番最初にご紹介した「建物構造」については、建物種別をマンションに設定することでほとんどカバーできるのがその理由です。不動産屋さんがお部屋の募集情報を公開する際には、この「建物種別」も入力されています。(マンションだけを集めた不動産検索サイトは該当項目が省略されていることも)

わざわざ「鉄筋造」「鉄骨造」を一緒に選択しなくても、マンションタイプはそれらの構造になっていますので選択不要ということわけです。

逆に、「マンション」を選択せずに、「鉄筋造」「鉄骨造」などを選択すると、「鉄筋造」は軽量鉄骨なども含まれるためにアパートタイプのお部屋も検索でヒットしてしまい、絞り込みきれません。



事情がある場合は自力での対処が必要

例えば金銭的な事情があり、すぐに引っ越しができない、というケースもあるかもしれません。

その場合は根本的な解決にはなりませんが、自力の工夫で対処できることを検討してみましょう。

例えば、

  • 匿名で問題の部屋と思われる住民のポストかドアの下などに手紙を入れる
  • ホワイトノイズマシン」を導入する

①については、直接伝えることは控えたほうが良いでしょう。相手の人格に問題がある場合、トラブルに発展する可能性もありますし、今後も住み続けていく物件だと居心地も悪くなってしまうかも知れませんので。

②については、「ホワイトノイズ」という雑音をつくりだす機械のことで、快眠グッズとして知られているようです。比較的手頃な数千円という値段から様々なタイプがあり、実際にこのマシンを使うことで近隣の騒音が気にならなくなっった、という実例もあるぐらいです。外部ブログですが、以下の記事がわかりやすいと思いました。

【2021年】ホワイトノイズマシンのおすすめ人気ランキング10選



騒音トラブルから解放されるために

在宅での仕事が推奨される中、管理会社いわく実際に騒音トラブルが増加しているとのこと。

賃貸住宅では持ち家と違って、室内の工事を行うことは許可されていないため、壁に吸音材を入れるなどもできません。

その代わり、身一つで引っ越しができることもメリット。

住まい探しの経験が増えてくると、自分に合うのはどのような物件か?ということがわかるようになってきますよ。

今回のような相談を読むことで、他の人が経験したことを疑似体験するとう考え方も良いですね。

少しずつ物件探しのコツを掴んでいきましょう!



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1980年代生まれ|東京都心の元不動産屋  不動産業界に約7年ほど在籍していました。賃貸仲介がメイン。賃貸住宅探しのコツを元プロ目線で紹介していきます。部屋探しは物件選びと不動産会社選びがポイント。

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